蒙々
蒙々
名詞
標準
文例 · 用例
然るにわが日中両国を返顧するも、猶お未だ、昏々蒙々、一に大祥の将に臨み亡種の惨を知らざるが如し。
— 横光利一 『上海』 青空文庫
あちらでもこちらでも、まるで松明行列を見るように、米軍の大小の飛行機が、火焔に包まれ、真黒な煙を蒙々と空中に噴き出しながら、海面へ向けて、落ちて行くのが見えた。
— 海野十三 『空襲葬送曲』 青空文庫
紫煙が蒙々と、原稿用紙の上に棚曵いた。
— 海野十三 『軍用鼠』 青空文庫
――此の蒙々とした群集の無智の総和の中に、ああ俺は実に、きらめく一閃を欲していたのだ。
— 豊島与志雄 『異邦人の意欲』 青空文庫
「蒙々篁竹下、有路上壺頭」に始まる個所だ。
— 高村光太郎 『黄山谷について』 青空文庫
そして「蒙々篁竹下」とあらためてまた見る。
— 高村光太郎 『黄山谷について』 青空文庫
上の方はもう眞暗くなつて、密閉されて押つかぶさつて來る穹窿となつた、――その表面には、一層黒い炭坑かなにかのやうな蒙々たる斑紋を擴げてゐた、それが一つの動かない圓蓋のやうに思はれた。
— PECHEURS D'ISLANDE 『氷島の漁夫』 青空文庫