黒瞳
くろひとみ
名詞
標準
文例 · 用例
黒瞳勝な目元が顔の輪郭をはつきりさせて、頬から口へかけて男らしい肉のしまりがある。
— 平出修 『瘢痕』 青空文庫
何か見|詰めてでもゐると、黒瞳が凝如と据ツてとろけて了ひそうになツてゐる………然うかと思ふと、伏目に物など見詰めてゐて、ふと頭を擡げた時などに、甚く狼狽えたやうな、鋭敏な作用をすることがある………例へば何か待焦れてゐて、つい齒痒くなツて、ヂリ/″\してならぬと謂ツた風に騒ぎ出す。
— 三島霜川 『平民の娘』 青空文庫
好子は黒瞳の深い目が遽かに冴えうるんで来て、材料としての或る事件を話しだした。
— 徳田秋聲 『二人の病人』 青空文庫
緑髪肩に波うち、容顔の清しさ、胸に薔薇色の薄ぎぬはふり、情界の熱き波瀾に黒瞳にほひかがやき、領巾ふるや、夢の足なみ軽らかに現なきさま。
— 北原白秋 『第二邪宗門』 青空文庫
肌は白魚のように透きとおり、黒瞳は夢見るように大きく見開かれ、額にかかる捲毛は鳩の胸毛のように柔らかであった。
— 中島敦 『悟浄出世』 青空文庫
一寸首を傾げて、黒瞳で彼を見上げた、その表情に、その時、はじめて媚らしいものが現れた。
— 中島敦 『プウルの傍で』 青空文庫
娘の花子さんは十五|歳でしたか、豊頬黒瞳、まめまめしく、ぼく達の汚れ物の洗濯などしてくれる、可愛らしさでした。
— 田中英光 『オリンポスの果実』 青空文庫
娘の花子さんは十五歳でしたか、豊頬黒瞳、まめまめしく、ぼく達の汚れ物の洗濯などしてくれる、可愛らしさでした。
— 田中英光 『オリンポスの果実』 青空文庫