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木柵

もくさく
名詞
1
標準
文例 · 用例
で、彼はとっさの間に、グラウンドに沿うて木柵によって仕切られている街道まで腹這いになって進んだ。
葉山嘉樹 死屍を食う男 青空文庫
街道に出ると、彼は木柵を盾にして、グラウンドの灰色の景色をながめた。
葉山嘉樹 死屍を食う男 青空文庫
「奴も腹這いになって、障害物のない所で見張ってやがるんだな」 安岡は、自分自身にさえ気取られないように、木柵に沿うて、グラウンドの塵一本さえ、その薄闇の中に見失うまいとするようにして進んだ。
葉山嘉樹 死屍を食う男 青空文庫
それで勘定場近くの便所の口へ出て低い木柵越しに外を見ると、そこに一団、かしこに一団という風に人間が寄集まって茫然として空を眺めている。
寺田寅彦 震災日記より 青空文庫
君はきっと、銀座か新宿のデパアトの屋上庭園の木柵によりかかり、頬杖ついて、巷の百万の屋根屋根をぼんやり見おろしたことがあるにちがいない。
太宰治 彼は昔の彼ならず 青空文庫
校庭宮沢賢治さ霧する白き木柵幹彫れる桐のいくもと剥げそめし白きペンキの木柵に人人は倚りそのペンキあるいは剥げあるものは庭をのぞめり一鐘のラッパが鳴りて急ぎ行く港先生白堊城秋のガラスはひらごとにうつろなりけり
宮沢賢治 校庭 青空文庫
小座敷から斜に距てて、木柵の内側の床を四角に切り抜いて、そこにも小さな生洲がある。
岡本かの子 河明り 青空文庫
逗子養神亭から見た向う岸の低い木柵に凭れている若い女の後姿のスケッチがある。
寺田寅彦 海水浴 青空文庫