蚕時
かいことき
名詞
標準
文例 · 用例
麻野には麻を蒔き、蚕時には桑子を飼う。
— 岡本かの子 『富士』 青空文庫
養蚕時には養蚕もするし、そっちこっちへ金の時貸しなどをしていることも弁った。
— 徳田秋声 『新世帯』 青空文庫
養蚕時の忙しい時期を、父親は村境の峠を越えて、四里先の町の色里へしけ込むと、きッと迎えの出るまで帰って来なかった。
— 徳田秋声 『足迹』 青空文庫
お島はこの夏は、いつもの養蚕時が来ても、毎年々々仕馴れた仕事が、不思議に興味がなかった。
— 徳田秋声 『あらくれ』 青空文庫
養蚕時が来れば、寺の本堂の側に蚕の棚が釣られる。
— 島崎藤村 『千曲川のスケッチ』 青空文庫
長州や水戸の方の先例は知らないこと、小草山の口開けや養蚕時のいそがしさを前に控え、農家から取られる若者は「おやげない」(方言、かあいそうに当たる)と言って、目を泣きはらしながら見送る婆さんたちも多かった。
— 第二部上 『夜明け前』 青空文庫
○桑の実を食いし事 信州の旅行は蚕時であったので道々の桑畑はいずこも茂っていた。
— 正岡子規 『くだもの』 青空文庫
夏蚕時金田千鶴-------------------------------------------------------【テキスト中に現れる記号について】:ルビ(例)厭アだな!
— 金田千鶴 『夏蚕時』 青空文庫