舎漢
しゃかん
名詞
標準
文例 · 用例
上野へ入れば往来の人ようやくしげく、ステッキ引きずる書生の群あれば盛装せる御嬢様坊ちゃん方をはじめ、自転車はしらして得意気なる人、動物園の前に大口あいて立つ田舎漢、乗車をすゝむる人力、イラッシャイを叫ぶ茶店の女など並ぶるは管なり。
— 寺田寅彦 『半日ある記』 青空文庫
レーリーの立派な仕事の楽屋にはこの忠実な田舎漢のかくれていた事を記念したい。
— 寺田寅彦 『レーリー卿(Lord Rayleigh)』 青空文庫
立派な土百姓になりゃあがったな、田舎漢め!
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
紳士と、件の田舎漢で、外道面と、鬼の面。
— 泉鏡花 『蠅を憎む記』 青空文庫
この男は、扮装、風俗、田舎漢と見えたるが、日向眩ゆき眼色にて、上眼づかいにきょろつく様、不良ぬ輩と思われたり。
— 泉鏡花 『活人形』 青空文庫
で、その尻上がりの「ですか」を饒舌って、時々じろじろと下目に見越すのが、田舎漢だと侮るなと言う態度の、それが明かに窓から見透く。
— 泉鏡花 『国貞えがく』 青空文庫
「チョタとは何だ、田舎漢のことかネ。
— 幸田露伴 『貧乏』 青空文庫
と立帰り行くを見送って、「おえねえ頓痴奇だ、坊主ッ返りの田舎漢の癖に相場も天賽も気が強え、あれでもやっぱり取られるつもりじゃあねえ中が可笑い。
— 幸田露伴 『貧乏』 青空文庫