挂
挂
名詞
標準
文例 · 用例
懐中から本を出して、蝋光高懸照紗空、 花房夜搗紅守宮、象口吹香暖、 七星挂城聞漏板、寒入罘※殿影昏、 彩鸞簾額著霜痕、 ええ、何んでも此処は、蛄が鉤闌の下に月に鳴く、魏の文帝に寵せられた甄夫人が、後におとろえて幽閉されたと言うので、鎖阿甄。
— 泉鏡花 『春昼』 青空文庫
」と源次郎は三味線の挂った柱に凭れて澄ましている。
— 泉鏡花 『湯島詣』 青空文庫
裏の木戸口を隔にて、庭続の隣家の殿、かつて政事をも預りしが行年ここに五十六、我|老たりと冠を挂けて幕の裡に潜みたまえど、時々黒頭巾出没して、国五郎という身で人形を使わせらる。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
麗娟常に身の何處にも瓔珞を挂くるを好まず。
— 泉鏡太郎 『唐模樣』 青空文庫
窓に挂くるもの列錢の青瑣なり。
— 泉鏡太郎 『唐模樣』 青空文庫
同じ人が、日は香爐(峯の名)を照して紫煙を生ず、遙に看る瀑布の長川を挂くるを、といつてゐるのは遠望の觀賞である。
— 幸田露伴 『華嚴瀧』 青空文庫
「人生の頼みがたさから賢明な帝王さえ御位をお去りになるのであるから、老境に達した自分が挂冠するのに惜しい気持ちなどは少しもない」 と言っていたに違いない。
— 若菜(下) 『源氏物語』 青空文庫
自分も聲を挂けなかつた、三人も菓子とも思はなかつたか、やがてはた/\足音がするから顏を出して見ると、奈々子が後になつて三人が手を振つて駈ける後姿が目にとまつた。
— 伊藤左千夫 『奈々子』 青空文庫