山壁
さんぺき
名詞
標準
文例 · 用例
口ギタなく罵る叫びは、向うの山壁にこだました。
— 黒島傳治 『浮動する地価』 青空文庫
さかんな雪崩の音はその廊下の位置からきかれないまでも、高い山壁から谷まで白く降り埋める山々の雪を望むことはできる。
— 第一部上 『夜明け前』 青空文庫
山壁の成層岩は時々濃霧の中から墨汁のやうに現れた。
— 横光利一 『静かなる羅列』 青空文庫
彼らは高い山壁の傾斜層に細々とした径をつけた。
— 横光利一 『静かなる羅列』 青空文庫
我國に碑多けれども、山壁を碑となせるは他に類を見ず。
— 大町桂月 『白河の七日』 青空文庫
其の側に、具足岩あれど、これは山壁の骨をあらはせるものにて、さまで奇とするに足らず。
— 大町桂月 『冬の榛名山』 青空文庫
東京で描いていたイメージイが愚にもつかなかったと思えて、私はシャンと首をあげると、灰色に蜿蜒と続いた山壁を見上げた。
— 林芙美子 『新版 放浪記』 青空文庫
嶮岨な山壁を見てゐると、何事もない、人跡絶えた島にも見える。
— 林芙美子 『屋久島紀行』 青空文庫