蕎麦切り
そばきり
名詞
標準
文例 · 用例
その年は前年凶作のあとをうけ、かつは諒闇のことでもあり、宿内倹約を申し合わせて、正月定例の家祈祷にすら本陣では家内限りで蕎麦切りを祝ったくらいである。
— 第一部下 『夜明け前』 青空文庫
」「いや、天ぷらです」「天ぷらにしても、蕎麦切りですか?
— 佐々木邦 『凡人伝』 青空文庫
」「蕎麦に天ぷらを入れたのです」「矢張り蕎麦切りですよ」「違いましょう」「いや、此方では蕎麦切りというんです」「はゝあ」「蕎麦切りの天ぷらを御馳走致しましょう」「いや、結構ですよ」「御遠慮には及びません。
— 佐々木邦 『凡人伝』 青空文庫
蕎麦切りを戴きながら、令嬢を六十五点とつけたが、辞し去る頃、少し酷だと思って、七十点に改めた。
— 佐々木邦 『凡人伝』 青空文庫
妻はその初め私に蕎麦切りの天ぷらを御馳走してくれた令嬢だ。
— 佐々木邦 『凡人伝』 青空文庫
現今は練ってからもう一度|※でるので、やや食い方のちがった蕎麦切りに過ぎぬが、元は只かいて食うからカッケと名づけたものと思う。
— 柳田国男 『木綿以前の事』 青空文庫
そば切り庖丁などという詞はいつか消滅するであろう。
— 岡本綺堂 『綺堂むかし語り』 青空文庫
笹藪のかたわらに、茅葺の家が一軒、古びた大和障子にお料理そば切うどん小川屋と書いてあるのがふと眼にとまった。
— 田山花袋 『田舎教師』 青空文庫