立ち竦む
たちすくむ
動詞
標準
文例 · 用例
そうして明るい所へ眼を向ける勇気がないので、じっとその黒い影の中に立ち竦むようにして閉じ籠っているのである。
— 夏目漱石 『明暗』 青空文庫
二人とも、瞬間的に立ち竦む。
— 菊池寛 『藤十郎の恋』 青空文庫
その千鶴子の様子は、なまめかしい悩みを顕している風にも矢代には見え、一瞬強く足の立ち竦む思いに打たれるのだったが、それもどういう作用で切りぬけているものか彼も分らぬまま、また歩いて街角を曲った。
— 横光利一 『旅愁』 青空文庫
離れんとお呉れ――」 腰から下は雪に埋まった男も、その声のする度びに立ち竦む。
— 本庄陸男 『とも喰い』 青空文庫
奥平の手を掴み、そのまま凝固したように立ち竦む。
— 宮本百合子 『火のついた踵』 青空文庫
おお、此処は偉大なエトワアルの広場……わたしは思はずじつと立ち竦む。
— 與謝野晶子 『晶子詩篇全集』 青空文庫
「あっ、父上」 愕然と、立ち竦む子の処へとびかかって、蔵六は、彼を大地へ組み伏せた。
— 大楠公夫人 『日本名婦伝』 青空文庫
ヒューッと吹き煽る雪颶に、彼女は傘を取られそうになって、思わずそこに立ち竦む。
— 吉川英治 『江戸三国志』 青空文庫