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戸前

とまえ
名詞
1
標準
文例 · 用例
来たのは江戸前の魚屋で。
泉鏡花 婦系図 青空文庫
それと、戸前が松原で、抽でた古木もないが、ほどよく、暗くなく、あからさまならず、しっとりと、松葉を敷いて、松毬まじりに掻き分けた路も、根を畝って、奥が深い。
泉鏡花 古狢 青空文庫
梅水は、以前築地一流の本懐石、江戸前の料理人が庖丁をる。
泉鏡花 燈明之巻 青空文庫
片翼になって大道に倒れた裸の浜猫を、ぼての魚屋が拾ってくれ、いまは三河島辺で、そのばさら屋の阿媽だ、と煮こごりの、とけ出したような、みじめな身の上話を茶の伽にしながら――よぼよぼの若旦那が――さすがは江戸前でちっともめげない。
泉鏡花 開扉一妖帖 青空文庫
「お向うというのは、前に土蔵が二戸前
泉鏡花 縁結び 青空文庫
三年と五年の中にはめきめきと身上を仕出しまして、家は建て増します、座敷は拵えます、通庭の両方には入込でお客が一杯という勢、とうとう蔵の二|戸前も拵えて、初はほんのもう屋台店で渋茶を汲出しておりましたのが俄分限。
泉鏡花 政談十二社 青空文庫
源作は、村の貧しい、等級割一戸前も持っていない自作農だった。
黒島傳治 電報 青空文庫
それに、お前、お前はまだこの村で一戸前も持っとらず、一人前の税金も納めとらんのじゃぞ。
黒島傳治 電報 青空文庫