轍鮒
てっぷ
名詞
標準
person or thing in imminent danger
文例 · 用例
ところで、図らずも貸主が君と云ふので、轍鮒の水を得たる想で我々が中へ入つたのは、営業者の鰐淵として話を為るのではなくて、旧友の間として、実は無理な頼も聴いてもらひたいのさ。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
ところがこの時私は、成蹊学園長中村|春二先生の知遇を得ることとなり、同誌はその結果枯草の雨に逢い、轍鮒の水を得たる幸運に際会することを得、秋風蕭殺の境から、急に春風駘蕩の場に転じた。
— 第一部 牧野富太郎自叙伝 『牧野富太郎自叙伝』 青空文庫
これならば豪華船のサロンに備えつけて、シガーでも吹かしながら測定出来るので、潜水艦の中で酸素かイオンかの足りない空気に轍鮒の苦しみを嘗めるのとは大変なちがいである。
— 中谷宇吉郎 『地球の円い話』 青空文庫
だが、慨然として呟いただけではいられない、事急に迫って、轍鮒のような境涯に置かれているお雪ちゃんの叫びを聞くと、まず、為さねばならぬことは、走せてこれに赴くということです。
— 弁信の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
お角の、いたずら心が挑発されて、せっかくのことに、がんりきのために、思いきった濃厚な当てっぷりを見せてやろうと、むらむらしたが、どう考えてもこの場合、相手に選ぶべき役者がない。
— めいろの巻 『大菩薩峠』 青空文庫
馬鹿と利口の分け方だって、そりゃア色々あるだろうが、家の建てっぷりを標準にしたって、立派に分けることが出来ようってものさ。
— 国枝史郎 『任侠二刀流』 青空文庫
作例 · 標準
倒産寸前の会社を救うため、彼は轍鮒のような心境で必死に資金繰りに奔走している。
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貯金が底をつき、明日の食費にも困るような轍鮒の身となって助けを求めた。
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洪水で孤立した村の人々は、食料も尽きかけまさに轍鮒の危うきにさらされている。
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