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通線

つうせん
名詞
1
標準
文例 · 用例
橋の袂は交通線上の一つの特異点であって、歩行者の心のテンポにある加速度を与えるために自然に予定の行為への衝動を受けるのかもしれない。
寺田寅彦 さまよえるユダヤ人の手記より 青空文庫
日本書紀に依れば、此の御代に四道将軍を派遣せられたとあるが、当時初めて東海、北陸、吉備、丹波地方への交通が開け、皇化がこの交通線に沿うて、辺鄙の地に及んだことが察せられる。
菊池寛 二千六百年史抄 青空文庫
毎日夕方になると、唯一の交通線である平康からの自動車が疲れた旅人のやうに微な爆音をあたりの翠微に震はせながら、白い埃塵に包まれて入つて来るが、それを聞くと、支配人もコツクもボーイも誰も彼も皆その周囲に集つて行つて、何等かの期待をそれに持つのである。
田山録弥 山のホテル 青空文庫
人情、非人情というような、人間的なものではなく、ふかい谷間のような、不通線だ。
――木人夜穿靴去、石女暁冠帽帰(指月禅師) 夜の靴 青空文庫
農民のみとは限らず、一般人の間にも生じているこの不通線は、焼けたもの、焼け残り、出征者や、居残り組、疎開者や受入れ家族、など幾多の間に生じている無感動さの錯綜、重複、混乱が、ひん曲り、捻じあい、噛みつきあって、喚きちらしているのが現在だ。
――木人夜穿靴去、石女暁冠帽帰(指月禅師) 夜の靴 青空文庫
誰も彼もほおけた不通線に怒っているのだ。
――木人夜穿靴去、石女暁冠帽帰(指月禅師) 夜の靴 青空文庫
大王は同地に止まって敵を待つ事が当時の用兵術としては最も穏健な策であったが(大王自身の反省)、軍事的に自信力を得た大王は更に南方に進み、墺軍の交通線を脅威して墺軍を屈伏せしめんとしたが、仏軍の無為に乗じて墺将カールはライン方面より転進し来たり、ザクセン軍を合して大王に迫って来た。
石原莞爾 戦争史大観 青空文庫
朝鮮の貫通線が土城廊の前方を走っているので、国際的な体面上、又は都市美観上それは到底捨てておけぬことだった。
金史良 土城廊 青空文庫