消し
けし
名詞
標準
文例 · 用例
御覧ぜよ、奥方の御目には我れを憎しみ、殿をば嘲りの色の浮かび給ひしを」 女子は太息に胸の雲を消して、月もる窓を引たつれば、音に目さめて泣出る稚児を、「あはれ可愛し、いかなる夢をか見つる。
— 樋口一葉 『軒もる月』 青空文庫
しののめきたるまへ私の心は墓場のかげをさまよひあるくああ なにものか私をよぶ苦しきひとつの焦燥このうすい紅いろの空氣にはたへられない戀びとよ母上よ早くきてともしびの光を消してよ私はきく 遠い地角のはてを吹く大風のひびきをとをてくう、とをるもう、とをるもう。
— 萩原朔太郎 『青猫』 青空文庫
ああはやく動いてそこを去れわたしの生涯の映畫幕からすぐに すぐに外りさつてこんな幻像を消してしまへ私の「意志」を信じたいのだ。
— 萩原朔太郎 『青猫』 青空文庫
ああはやく動いてそこを去れわたしの生涯の映畫幕からすぐに すぐに 外りさつてこんな幻像を消してしまへ。
— 萩原朔太郎 『定本青猫』 青空文庫
ああ なにものか私をよぶ苦しきひとつの焦燥このうすい紅いろの空氣にはたへられない戀びとよ母上よ早くきてともしびの光を消してよ私はきく 遠い地角のはてを吹く大風のひびきを。
— 萩原朔太郎 『定本青猫』 青空文庫
希望や、空想や、旅情やが、浪を越えて行くのではなく、空間の無限における地平線の切斷から、限りなく單調になり、想像の棲むべき山影を消してしまふ。
— 萩原朔太郎 『宿命』 青空文庫
風がそれを吹きつける時、ばたばたといふ寂しい音で、哄笑が洋燈を吹き消してしまふのである。
— 萩原朔太郎 『宿命』 青空文庫
私は枕許の洋燈を消した。
— 萩原朔太郎 『宿命』 青空文庫