様容
さますがた
名詞
標準
文例 · 用例
秘密――生死にも関はる真実の秘密――仮令先方が同じ素性であるとは言ひ乍ら、奈何して左様容易く告白けることが出来よう。
— 島崎藤村 『破戒』 青空文庫
眼の大きい、鼻の高い、頭髪の虎鬚で、何様容易ならぬ人相が江戸ッ児の好奇心を捉えたのでしょう。
— お竹大日如来 『奇談クラブ〔戦後版〕』 青空文庫
最初から多少此心配の無いでもなかつたが、兎に角、世に珍らしき巨大の魚の、左樣容易に腐敗する事もあるまいと油斷して居つたが、其五日目の朝、私はふとそれと氣付いた。
— 押川春浪 『海島冐檢奇譚 海底軍艦』 青空文庫
我が全幅の精神を以て事に當り務を執るといふことは、正直にさへ有つたならば、何人にも容易に出來さうなことであるが、併し然樣容易に出來るものでは無い、或人には散る氣の習癖が附いて居り、或る人には即ち弛む氣の生ずる習癖が附いて居る。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
かくの如く准那の二字は波斯語系の言葉の「ゼーダ」又は「ザーダ」の音譯であるとして、然らば「米」の字もやはり波斯語系の言葉の音譯であるかと云ふと、左樣容易くは參りませぬ。
— 榊亮三郎 『金剛智三藏と將軍米准那』 青空文庫
親分方が、直々お訊きになれば、詳しいことがわかるでせう」 外にも贋金をつかまされたのが、樽屋の知つてるだけでも五六箇所、何樣容易ならぬことです。
— 贋金 『錢形平次捕物控』 青空文庫
客といふのは四十五六の立派な仁體、身扮は地味で目立ちませんが、行屆いたたしなみで、何樣容易ならぬものを感じさせます。
— からくり屋敷 『錢形平次捕物控』 青空文庫