丘陵地
きゅうりょうち
名詞
標準
文例 · 用例
」佛陀或は 世界の謎赭土の多い丘陵地方のさびしい洞窟の中に眠つてゐるひとよ君は貝でもない 骨でもない 物でもない。
— 萩原朔太郎 『定本青猫』 青空文庫
たゞ鷺町の附近ではやゝこれが著しく、海盤の一本の触手のように丘陵地帯を貫いて町の下手で河原まで岩層を差し伸しています。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
休息の地のないままに一夜|泥濘の中を歩き通したのち、翌朝ようやく丘陵地に辿りついたとたんに、先廻りして待伏せていた敵の主力の襲撃に遭った。
— 中島敦 『李陵』 青空文庫
小広い道が出来ていて、その左右は杉並木であり、左側は山の斜面であったが、右側は丘から丘に通じた、丘陵地帯をなしていた。
— 国枝史郎 『あさひの鎧』 青空文庫
市の西の小崗子と云ふ丘陵地にある支那街の一部に、白く立つ砂ぼこりと悪臭とを我慢しながら、自動車を表通に待たせて置いて、縦横に通じた小盗児市場の小路を歩き廻つた。
— 附 満蒙の歌 『満蒙遊記』 青空文庫
南山は金州平野の一部にある低い丘陵地で、小松の中に白い御影石の記念碑が建つてゐる。
— 附 満蒙の歌 『満蒙遊記』 青空文庫
その犬の飼われている家は、小石川の二つの丘陵地帯を繋ぐ、幅広い坂の中途にある。
— 宮本百合子 『吠える』 青空文庫
――みんな観るには大分時間がかかるらしい話だよ」 ひとくちにヴェルダンとよばれているけれども、見物すべきいくつかの要塞は互に数マイルずつはなれて、国境よりの丘陵地帯に散在しているということだった。
— 宮本百合子 『道標』 青空文庫