糟
かす
名詞
標準
文例 · 用例
板の新しいだけ、なおさら安っぽく、尾羽打ち枯らした、糟谷の心のすさみがありありと読まれる。
— 伊藤左千夫 『老獣医』 青空文庫
それでも他区にくらべると、まだたいへん安いといって、糟谷はよろこんで越してきたのである。
— 伊藤左千夫 『老獣医』 青空文庫
糟谷は次男芳輔三|女礼の親子四人の家族であるが、その四人の生活が、いまの糟谷の働きでは、なかなかほねがおれるのであった。
— 伊藤左千夫 『老獣医』 青空文庫
糟谷はあければ五十七才になる。
— 伊藤左千夫 『老獣医』 青空文庫
糟谷は本所へ越してきて、生活の道が確立したかというに、まだそうはいかぬらしい。
— 伊藤左千夫 『老獣医』 青空文庫
糟谷が上京以来たえず同情を寄せて、ねんごろまじわってきた、当区の畜産家西田という人が、糟谷の現状を見るにしのびないで、ついに自分の手近に越さしたのであるが、糟谷が十年|住んでおった、新小川町のとにかく中流の住宅をいでて、家賃十円といういまの家へ移ってきたについては、一|場の悲劇があった結果である。
— 伊藤左千夫 『老獣医』 青空文庫
二 糟谷は明治十五年ごろから、足|掛け十二年のあいだ、下総種畜場の技師であった。
— 伊藤左千夫 『老獣医』 青空文庫
糟谷は三十になったばかり、若手の高等官として、周囲から多大の希望を寄せられていた。
— 伊藤左千夫 『老獣医』 青空文庫