花顔
かがん
名詞
標準
lovely face
文例 · 用例
なほ天堂に於ける天女にして、もしその面貌醜ならむか、濁世の悪魔が花顔雪膚に化したるものに、嗜好の及ばざるや、甚だ遠し。
— 泉鏡花 『醜婦を呵す』 青空文庫
きみの花顔、世界の巷ちまた、露路の奥々、あつき涙とともに、撒き散らさむ。
— 太宰治 『HUMAN LOST』 青空文庫
三歳のネロをひしと抱きしめ、助かった、ドミチウスや、私たちは助かったのだよ、と呻くがごとく囁き、涙と接吻でネロの花顔をめちゃめちゃにした。
— 太宰治 『古典風』 青空文庫
だから西洋の美人の形容詞には、東西共通の、沈魚落雁、閉月羞花とか、花顔柳腰明眸皓歯とかといふ美人に共通の資格の外に、「動」といふものが美人の美人たる資格の内に含まれてゐるのである。
— 堀口九萬一 『東西ほくろ考』 青空文庫
花顔零落空しく地に委するの不幸を招きたまはむやも知るべからず。
— 清水紫琴 『葛のうら葉』 青空文庫
花顔柳腰の婦女子も或は羅刹夜叉となり、抜山蓋世の勇士も忽ち餓鬼畜生に変ずる。
— 谷崎潤一郎 『武州公秘話』 青空文庫
嵌玉のかぶと、磨銀のよろい、花の枝を繍い出した素絹の戦袍すずやかに、「宋江とやらのおからだを戴きましょうか」 と、言い払い、ホホとその白い花顔が闇を占めて笑っているかのよう。
— 吉川英治 『新・水滸伝』 青空文庫
ぱッと唇からも鼻腔からも血を噴いて、花顔むなしく、虚空をつかむようにのけ反ッてクルと仰向に仆れてしまったのであった。
— 吉川英治 『新・水滸伝』 青空文庫
作例 · 標準
久々に会った孫娘はすっかり見違えるようで、その花顔に祖母は目を細めた。
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舞台に現れた女優の、憂いを帯びた花顔に、観客は息をのんだ。
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「まあ、なんて愛らしい花顔でしょう。」と、老婆は赤ん坊をのぞき込んで微笑んだ。
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