煤埃
すすほこり
名詞
標準
文例 · 用例
勾配のひどく急な茅屋根の天井裏には煤埃りが真黒く下って、柱も梁も敷板も、鉄かとも思われるほど煤けている。
— 葛西善蔵 『贋物』 青空文庫
次の六畳の天井は、煤埃にまみれた古葭簀で、腐れ屋根から雨が漏ると、黄ろい雫がぼて/\畳に落ちた。
— 徳冨健次郎 『みみずのたはこと』 青空文庫
煤掃の埃しづまる葉蘭かな 子規 煤掃をすると家の内は綺麗になるけれども、一時は煤埃が空中に舞い上ってその辺一面に大荒れに荒れるのであるが、その煤掃も終って暫く時間が経つと、空中に散ばっていた埃も自然と地上に静まって来る、その埃は庭の葉蘭の上にも懸っているというのである。
— 高浜虚子 『俳句はかく解しかく味う』 青空文庫
念のために、伸び上がって押しあけながらよく見ると、すすほこりが着物かなぞですれたらしく、さっとはけめがついているのでした。
— 死人ぶろ 『右門捕物帖』 青空文庫