撫附
撫附
名詞
標準
文例 · 用例
且つその狂か、痴か、いずれ常識無き阿房なるを聞きたれば、驚ける気色も無くて、行水に乱鬢の毛を鏡に対して撫附けいたりけり。
— 泉鏡花 『妖僧記』 青空文庫
お気味が悪くも撫附けましょう。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
代つて現れたのは白髮を切つて撫附にした媼である。
— 森鴎外 『壽阿彌の手紙』 青空文庫
そこへ、ひょっこりと、奥の方から姿を現わした、撫附髪に水色の紋つきの年配の男がありました。
— 胆吹の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
「や、お帰りでござったか」「はい」「飛脚の方は滞りなく出立を致させましたから、御安心ください」「御苦労さまでした」 その撫附髪に水色の紋つきというのは、見たことのあるようなと思うも道理、これぞ、短笛を炉中に焼いて、おのが身の恋ざんげを試みた不破の関屋の関守氏でありました。
— 胆吹の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
祖母が切髪を撫附けるのに、鼠歯という、ごく歯の細かい櫛を使うので、それがあるかと聞きましたが、ありませんかった。
— 小金井喜美子 『鴎外の思い出』 青空文庫