僅々
きんきん
副詞形容詞-たる
標準
only
文例 · 用例
※ ソクラテスからジイド迄、いやもつと前からジイド迄かも知れぬ、僅々七十年間に、一とわたり読破した我が日本の力といふものは、世にも恐ろしい力である。
— 中原中也 『よもやまの話』 青空文庫
御覧の通りに僅々七十年間に、ソクラテスからジイド迄読破することが出来たといふのは、もとより負けじ魂に由るものであるが、注意すべきは、その負けじ魂といふよりかも、我等が粗朴であつたからである。
— 中原中也 『よもやまの話』 青空文庫
かりに濁音を清音と同じにしたり、kとh、mとb、sとtなどを同一視したりいろいろして行くと、独立したものの数nは僅々五つか六つになってしまう。
— 寺田寅彦 『比較言語学における統計的研究法の可能性について』 青空文庫
それを僅々数時間あるいはむしろ数分間の調査の結果から、さもさももっともらしく一部始終の顛末を記述し関係人物の心理にまでも立ち入って描写しなければならないという、実に恐ろしく無理な要求である。
— 寺田寅彦 『ジャーナリズム雑感』 青空文庫
室内の清楚で有り得るか有り得えぬかも僅々の日數で徹底し得るのである。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
そこで東京上野からは正しく僅々五時間で八景の一たる景勝が連接されてゐると思ふと、莞爾として滿足欣快の感のわき上るのを覺えた。
— 幸田露伴 『華嚴瀧』 青空文庫
斯くて長谷場純孝氏の提議にて討論終結の動議成立し、杉田議長採決を宣したるに出席總數三百四十五票中決議案を可とする者 百六十八票否とする者 百七十七票にて戰は僅々九票の差にて政府黨の勝利に歸し申候。
— 石川啄木 『雲間寸觀』 青空文庫
或は事實に於ては僅々十指に滿たざる書籍の發賣を禁止されたるに過ぎざれども、一般文學者學者等凡て思想的著述家の蒙りたる不安の程度より言へば正に爾か言ふを得べし。
— 石川啄木 『無題』 青空文庫