両損
りょうそん異読 りょうぞん
名詞
標準
loss on both sides
文例 · 用例
また有名な「三人一両損」の裁判でもこれを西鶴に扱わせるとその不自然な作り事の化けの皮が剥がれるから愉快である。
— 寺田寅彦 『西鶴と科学』 青空文庫
まだ一里ほども来ないのに、半額では少し割が悪いと思ったが、これは災難で両損とあきらめるよりほかはない。
— 岡本綺堂 『水鬼』 青空文庫
スルと有馬の家来も大勢あるから、私の処の門前を通る度に睨んで通るだろう、彼の屋敷は三百五十五両の約束をしたが、金の請取渡しのその日に三田に大変乱があったその為めに百両で売た、福澤は二百五十五両得をして、有馬家では二百五十五両損をしたと、通る度に睨んで通るに違いない。
— 福翁自伝 『福翁自伝』 青空文庫
が、なんとしても、「ある思想」のための芸術といふやうなものは、それ自身、芸術的に、一種の貧困を招くことは火をみるより明かであるから、わけても、未だ揺籃の時代にある日本演劇にとつて、政治的役割といふ過重の負担は、当然、一挙両損に終るであらうと見極めをつけてゐたのである。
— 岸田國士 『演劇本質論の整理』 青空文庫
特に、時節がら、一挙両損といふべきこの不健全な都会的偽態を撲滅しなければならぬ。
— 岸田國士 『都市文化の危機』 青空文庫
けれどもせっかく名ざしで申し込まれたお貞さんのために、沢山ない機会を逃すのはつまり両損になるという母の意見が実際上にもっともなので、理に明るい兄はすぐ折れてしまった。
— 夏目漱石 『行人』 青空文庫
人は何時の世にも、大岡裁きを喜ぶものである、子争いに始まって、石地蔵をお白洲に引出す興味、三方一両損の論理、皮剥ぎ獄門のトリックは、何時になっても変らない興味である。
— 野村胡堂 『銭形平次打明け話』 青空文庫
とんだ落語の『三方一両損』のようなはなしである。
— 三遊亭金馬 『江戸前の釣り』 青空文庫
作例 · 標準
価格競争を続けた結果、両社ともに利益を削り合うだけの両損に終わった。
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意地を張り合った末の兄弟喧嘩は、互いの心に傷を残すだけの両損な結果となった。
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全面戦争になれば、どちらの国も計り知れない損害を被る両損の事態は避けられない。
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