雛鶏
すうけい
名詞
標準
文例 · 用例
その親鶏が雛鶏に向うときのような太暖かい声の響きは、わたくしに去年のクリスマスまえ、学園の丘の河上の多那川べりで遇った乞食の老人の声を思い起させます。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
そしてみまもる間もなく牝鶏が一匹の雛鶏を後に従えてトマトのそばに現はれた。
— 素木しづ 『雛鳥の夢』 青空文庫
ぴよぴよと啼くは雛鶏。
— 北原白秋 『雀の卵』 青空文庫
鳥の啼くこゑかおかおと啼くは鴉、ぴよぴよと啼くは雛鶏、雀子はちゆちゆとさへづり、子を思ふ焼野の雉子、けんけんと夜も高音うつ。
— 北原白秋 『観相の秋』 青空文庫
今年の雛鶏の成績は?
— 佐左木俊郎 『黒い地帯』 青空文庫
「鶏にかけちゃ、この界隈にゃ、且那に及ぶ者はねえってごったから……」「雛鶏だってなんだって、斯う松埃をぶっかけられちゃね。
— 佐左木俊郎 『黒い地帯』 青空文庫
夕方、樹明兄から珍味到来、やがて兄自からも来訪、一升買つてきて飲む、雛鶏はうまかつた、うますぎた、大根、玉葱、茄子も、そして豆腐も。
— 種田山頭火 『行乞記』 青空文庫
猛虎も動物園に入れば糞豚の隣りに居を占め、鴻雁も鳥屋に生擒らるれば雛鶏と俎を同じゅうす。
— 夏目漱石 『吾輩は猫である』 青空文庫