空行
くうぎょう
名詞
標準
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文例 · 用例
山の方へ行つてはぼんやりと岩の蔭などに立つて空行く雲を眺めて居た。
— 村山槐多 『悪魔の舌』 青空文庫
夜半の寝覚に、あるいは現に、遠吠の犬の声もフト途絶ゆる時、都大路の空行くごとき、遥かなる女の、ものとも知らず叫ぶ声を聞く事あるように思うはいかに。
— 泉鏡花 『遠野の奇聞』 青空文庫
空行く鳥を追い止むる、それより難いこの願い。
— 夢野久作 『白髪小僧』 青空文庫
空観より空行へ、因縁観より因縁行へ、そこに哲学として仏教宗教としての仏教の立場があるのです。
— 高神覚昇 『般若心経講義』 青空文庫
おくれじと空行く月を慕ふかな終ひにすむべきこの世ならねば 風がはげしくなったので、揚げ戸を皆おろさせるのであったが、四辺の山影をうつした宇治川の汀の氷に宿っている月が美しく見えた。
— 総角 『源氏物語』 青空文庫
ただ漫然と空行く雲を仰いだり、橋の欄干を撫でたり、葉が散りかかっている並木の柳を叩いたりして行った。
— 夢野久作 『暗黒公使』 青空文庫
山二つ響き高鳴りて汝が頭に落ち、もはや汝が姿を見る能わざりき】 とある下の空行に、次の数句の詩が記されてあったのである。
— 小栗虫太郎 『潜航艇「鷹の城」』 青空文庫
空行く雁は瑠璃色の高い大気を海として、櫓を漕ぐやうな声を立て、何処の窓にも睦じい円居の人の夜話に黄菊の色の灯が点る。
— 與謝野晶子 『晶子詩篇全集拾遺』 青空文庫