家憲
かけん
名詞
標準
family constitution
文例 · 用例
川を渡る時には、いかなる用があろうとも火打袋の口をあけてはならぬと子々孫々に伝えて家憲にしようと思った。
— 太宰治 『新釈諸国噺』 青空文庫
重い物は男たちが持つてやらなければならないなどといふ家憲のある家庭もあるさうだが、俺はそんなことはきらひだ、殊に幸なことには彼女は俺より大力であつたから。
— 小説 『小熊秀雄全集−15−』 青空文庫
するてえと、ご運わるく兄の八郎兵衛さんには女のお子ども衆が生まれ、弟の七郎兵衛さんにはまたご運よくもあの陽吉さんていう男の子どもが生まれたんでね、代々の家憲どおり、七郎兵衛さんが兄をさしおいて、今の生島屋の何万両っていうご身代を、ぬれ手でつかみ取りにしちまったんですよ」「なるほど、わかったわかった。
— 身代わり花嫁 『右門捕物帖』 青空文庫
果然、事実は鳶頭金助の陳述したとおり、生島屋の奇妙な家憲に事を発し、七郎兵衛の設けた子どもも、兄の八郎兵衛の子どもと同様女でしたが、根が小欲に深い拝金宗の七郎兵衛はここに悪才を働かし、かく娘を男に仕立てて、名も陽吉と男名まえをつけながら、巧みに生島屋の六万両という大身代を私していたのでありました。
— 身代わり花嫁 『右門捕物帖』 青空文庫
かの王室の家憲が厳格なことは其方も存じておろう。
— A SCANDAL IN BOHEMIA 『ボヘミアの醜聞』 青空文庫
百万長者3・10 播磨の伊藤といへば往時からの百万長者、随分|難しい家憲もあれば家風もある。
— 大正六(一九一七)年 『茶話』 青空文庫
しかるにこの事件は撃たれたる某の父の正しき請求によりて、岩崎一家は以来銃猟をせぬといふ家憲を作りて目出たく納まつたので、それは愉快に局を結んだが、随つて一般の銃猟といふことに対してはますます不安を感じて来た。
— 正岡子規 『病牀六尺』 青空文庫
歴々たる人々の正夫人が芸妓上りであるという風潮に誘われて、家憲の正しいのを誇った家や、商人までが、一種の見得のようにして、それらの美女を根引し、なんの用意もなく家婦とし、子女の母として得々としたことが、市民の日常、家庭生活の善良勤倹な美風をどんなに後になって毒したかしれない。
— 長谷川時雨 『明治大正美女追憶』 青空文庫
作例 · 標準
当家には代々伝わる厳格な家憲があり、正月には必ず当主がそれを仏前で読み上げる。
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「決して商売で嘘をつくな」という家憲を守り続けたからこそ、今の老舗の暖簾がある。
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古い蔵を整理していたら、墨で筆記された江戸時代の家憲が巻物の形で見つかった。
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時代遅れだと言われようと、祖父は家憲に反する怪しい縁談には頑として首を縦に振らなかった。
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