天地玄黄
てんちげんこう
表現
標準
heaven is black and earth is yellow
文例 · 用例
一八九七年に鉄幹の詩集『天地玄黄』が、アジアにおける侵略者としての、日本の最初の勝利のうたい手としてあらわれた。
— 宮本百合子 『婦人作家』 青空文庫
そして鉄幹は、三十年に発表した詩集『天地玄黄』で、戦勝日本に漲った民族の意識を代表し、新たにうちしたがえられたと思われた土地へ流れひろがろうとする欲望の歌いてとして自身をあらわしたのであった。
— 宮本百合子 『婦人と文学』 青空文庫
一方で『天地玄黄』のような歌を出している鉄幹は、自身のうちからおのずとほとばしったそういう二色の歌の流れの間にある興味ふかい矛盾に、果して心付いていただろうか。
— 宮本百合子 『婦人と文学』 青空文庫
しかも自分がおかれている庶民的な事情を歴史的に把握する力をもたないために、歌集『天地玄黄』のような時流に流されかたも示している鉄幹のロマンティシズムの分裂は、樗牛の晩年のニイチェ礼讚とともに、極めて意味ふかく明治の知識人の精神の動揺の一つの姿を見せているのである。
— 宮本百合子 『婦人と文学』 青空文庫
ソレカラ何処かで法螺の貝を借りて来て、面を隠して二人で出掛けて、杉山が貝を吹く、お経の文句は、私が少年の時に暗誦して居た蒙求の表題と千字文で請持ち、王戎簡要天地玄黄なんぞ出鱈目に怒鳴り立てゝ、誠に上首尾、銭だの米だの随分相応に貰て来て、餅を買い鴨を買い雑煮を拵えてタラフク喰た事がある。
— 福翁自伝 『福翁自伝』 青空文庫
――途方もねえ吠え方をして、何を感ずりゃあがった」「そら、千字文の初めに、天地玄黄、とあらあな。
— 直木三十五 『南国太平記』 青空文庫
一人が「東西東西、それで、天地玄黄が、何うしたえ」「天地玄黄の、玄の字は、黒いって字さあね。
— 直木三十五 『南国太平記』 青空文庫
なるほど天地玄黄を三寸|裏に収めるほどの霊物だけあって、到底吾輩の手に合わない、尻尾を環る事|七度び半にして草臥れたからやめにした。
— 夏目漱石 『吾輩は猫である』 青空文庫
作例 · 標準
千字文の冒頭を飾る「天地玄黄」という言葉は、万物の根源的な秩序を四文字で端的に示している。
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書道の稽古で力強く「天地玄黄」と書き上げ、文字に込められた宇宙の広がりを表現しようと努めた。
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東洋思想の古典を紐解くと、天地玄黄という色彩感覚がいかに深く哲学と結びついているかが分かる。
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