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腕捲り

うでまくり
名詞
1
標準
文例 · 用例
母親は、腕捲りして、薔薇いろの掌を差出して手品師のように、手の裏表を返して子供に見せた。
岡本かの子 青空文庫
それに老先生だって、一度あたしが保証の印を捺して、いまでもどんなに迷惑しているか、まさか忘れもしなさらないと見え、その後何にもいい出しなさりはしませんがね」 貝原は宮大工上りの太い手首の汗をカフスに滲ませまいとして、ぐっと腕捲りして、煽風器に当てながら、ぽつりぽつり、まだ、通しものの豆を噛んでいる。
岡本かの子 渾沌未分 青空文庫
それでも瀬を造って、低い処へ落ちる中に、流れて来たものがある、勇美子が目敏く見て、腕捲りをして採上げたのは、不思議の花であった。
泉鏡花 黒百合 青空文庫
腕捲りをした上、浴衣の袖で汗を容赦なく拭いた。
夏目漱石 行人 青空文庫
『放逐して了へ、今直ぐ、それが出来ないとあらば吾儕挙つて御免を蒙る』と腕捲りして院長を脅すといふ騒動。
島崎藤村 破戒 青空文庫
これを銀之助の五分刈頭、顔の色赤々として、血肥りして、形も振も関はず腕捲りし乍ら、談したり笑つたりする肌合に比べたら、其二人の相違は奈何であらう。
島崎藤村 破戒 青空文庫
小太郎は、一足踏み出したが、すぐ(たわけた――) と、思い直して、歩もうとすると「馬鹿野郎っ、素浪人の、痩浪人、口惜しかったら出て来いっ」 二人の職人は、腕捲りをして入口まで出て来た。
直木三十五 南国太平記 青空文庫
一番、大工上りの手強いところを見せてやれ」「何っ」 小藤次は、刀へ手をかけないで、腕捲りをした。
直木三十五 南国太平記 青空文庫