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那気

那気
名詞
1
標準
文例 · 用例
許嫁、すっかり旦那気取りなの。
織田作之助 夜の構図 青空文庫
垢だらけの胸を披けて乳をやる母親は、鼻が推潰した様で、土に染みた髪は異な臭気を放つて居たが、……噫、浅間しいもんだ、那気を、と思ふと其|夫の、見るからに物凄い髭面が目に浮ぶ。
石川啄木 病院の窓 青空文庫
さりながら論語に唾を吐きて梅暦を六韜三略とする当世の若檀那気質は其れとは反対にて愈々頼もしからず。
三文字屋金平 為文学者経 青空文庫
――僕だって先刻まで其那気はなかったんだが――」 彼女は寝台の端に腰をかけ、憤ったような揶揄うような眼付で、意地わるくじろじろ良人の顔を視た。
宮本百合子 或る日 青空文庫
自分が正直に働いてい、従って真逆荷車で村から出されるようなことにならないのは解り切っている筈なのに、其那気になるのが植村の婆さんには我ながら情けなかった。
宮本百合子 秋の反射 青空文庫
きたなくはあるが、石だたみの街道に馬蹄を響かせて、用も無く漫歩する呑気さは、支那気分の一端に触れたものであらう。
附 満蒙の歌 満蒙遊記 青空文庫
其は只其那気がする丈なのではない、真個に見えるのだ。
一九一九年(大正八年) 日記 青空文庫
そして、此那気味が悪いのに何故来たのかと云う気持にもなりながら、矢張り怖わいもの見たさで、少し隙き間の出来て居た襖の陰にぴったり貼り付いて中をのぞいた。
宮本百合子 追憶 青空文庫