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穂芒

ほすすき
名詞
1
標準
文例 · 用例
到る処に穂芒が銀燭のごとく灯ってこの天然の画廊を点綴していた。
寺田寅彦 異質触媒作用 青空文庫
……山裂けて成しける池や水すまし穂芒や地震に裂けたる山の腹(昭和五年十月、渋柿)       * 新宿、武蔵野館で、「トルクシブ」というソビエト映画を見た。
寺田寅彦 柿の種 青空文庫
それにただ一面に穂芒が茂り連なって見渡す限り銀色の漣波をたたえていた。
寺田寅彦 柿の種 青空文庫
その都度御米は真丸な縁の焼けた銀の月と、絹地からほとんど区別できないような穂芒の色を眺めて、こんなものを珍重する人の気が知れないと云うような見えをした。
夏目漱石 青空文庫
穂芒や琵琶の運河を我は行く前は粟田の裏山にして 大正十二年仲秋の月を石山に賞し疏水に舟を浮べて京に入られた時の作。
平野萬里 晶子鑑賞 青空文庫
あちらからもこちらからも黒い頭が、白い穂芒の間に現はれてワアツと鬨の声をあげました。
槇本楠郎 文化村を襲つた子供 青空文庫
「さッ、来い」 返り血に染まった伝吉は、いよいよ鋭気を増して、辻堂を後ろに、五人の穂芒を前に受けた――と、密かに、辻堂の縁を廻ってきた舞鶴の新造は、一段高い足場から、卑怯な欺斬り――前の敵に気を奪われている伝吉の脳天を狙って、音もさせずに大脇差をふりかぶった。
吉川英治 剣難女難 青空文庫
もう穂芒が穂をそろえ、草の波には秋の光がある。
二天の巻 宮本武蔵 青空文庫