透き見
すきみ
名詞
標準
文例 · 用例
そこでとうとう盗人のやうに、そつと家の中へ忍びこむと、早速この二階の戸口へ来て、さつきから透き見をしてゐたのです。
— 芥川龍之介 『アグニの神』 青空文庫
しかし透き見をすると言つても、何しろ鍵穴を覗くのですから、蒼白い香炉の火の光を浴びた、死人のやうな妙子の顔が、やつと正面に見えるだけです。
— 芥川龍之介 『アグニの神』 青空文庫
そこでとうとう盗人のように、そっと家の中へ忍びこむと、早速この二階の戸口へ来て、さっきから透き見をしていたのです。
— 芥川龍之介 『アグニの神』 青空文庫
しかし透き見をすると言っても、何しろ鍵穴を覗くのですから、蒼白い香炉の火の光を浴びた、死人のような妙子の顔が、やっと正面に見えるだけです。
— 芥川龍之介 『アグニの神』 青空文庫
夏座敷の簀戸越しに源五・菊野の痴態を透き見する所などがあつて、立役が時として持つ三枚目の味――鳥目の一角などがそれ――を見せる場などもあつた。
— 折口信夫 『夏芝居』 青空文庫
(イ)うすものかけし屏風に透きて歌麿絵 みどり(ロ)枯柳に来し鳥吹かれ飛びにけり 久女(ハ)せり上げの菊人形やゆらぎつつ 妙子 (イ)、屏風に打かけた薄物をすけて歌麿の美人画がまざまざと美しく透き見ゆる、という蕉園の絵にでもありそうな光景を目に見る如く写生している。
— 杉田久女 『大正女流俳句の近代的特色』 青空文庫
邪悪な運命がダグラス卿と彼の隊員に降り掛かり、楯となってくれている沿岸山地のその向こうに聳えるものを透き見してしまうようなことがなければ良いのだが(*39)。
— H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft 『狂気の山脈にて』 青空文庫
いくつになっても人間には、すき見の興味があるものなのであろう。
— 太宰治 『彼は昔の彼ならず』 青空文庫