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雪割

ゆきわり
名詞
1
標準
文例 · 用例
私は、出発の朝――それが六つの三月でしたけれども、二人には雪割草の花束を贈り、また二人からは、頭をなでられたのを、記憶しております。
小栗虫太郎 紅毛傾城 青空文庫
土地で「雪割」と称えるは、莢豌豆のことで、その実の入った豆を豚の脂でいためて、それにお雪は塩を添えたものを別に夫の皿へつけた。
島崎藤村 家(上巻) 青空文庫
どっかから、お歳暮に福寿草と、雪割草の盆景をもって来た。
宮本百合子 午後 青空文庫
生れて始めて雪割草を見た。
宮本百合子 午後 青空文庫
陽は明るく庭にあふれ、垣根の裾に咲きつづいている、水仙、寒菊、雪割り草などが、その陽の中で呼吸づいてい、早梅の枝には渡り鳥が、踊るように飛んでいた。
国枝史郎 血煙天明陣 青空文庫
ふと、思いがけない南の方から、何か風がわたって来ます、ああでもそれは風とも云えないほどの大気のうごきです、が、そのそよめきは、雪の下の雪割草に、不思議な歓喜を覚えさせました。
一九四三年(昭和十八年) 獄中への手紙 青空文庫
雪割草は今世界が創ったというように自分のめざめを感じ、期待にみちて、又その風が雪のおもてを過ぎるのを待ちます。
一九四三年(昭和十八年) 獄中への手紙 青空文庫
この冬のさなかに、それは何の風でしょう、雪割草がこんなに瑞々しく蕾をふくらませ、薄紅い柔らかな萼をうるませ、今こそ花咲かんという風情にうるむのは、その風がどこから吹くのでしょう。
一九四三年(昭和十八年) 獄中への手紙 青空文庫