置県
ちけん
名詞
標準
文例 · 用例
それから近江、越前、越後、加賀、能登、若狭などとさかんに船で交通をはじめて次第に栄え、外ヶ浜に於いて最も殷賑の要港となり、明治四年の廃藩置県に依つて青森県の誕生すると共に、県庁所在地となつていまは本州の北門を守り、北海道函館との間の鉄道連絡船などの事に到つては知らぬ人もあるまい。
— 太宰治 『津軽』 青空文庫
廃藩置県になって、県庁が隣国に置かれることになったので、城下は俄に寂しくなった。
— 森鴎外 『ヰタ・セクスアリス』 青空文庫
これより先七月十四日の詔を以て廃藩置県の制が布かれたので、弘前県が成立していたのである。
— 森鴎外 『渋江抽斎』 青空文庫
廃藩置県と征韓論 明治元年正月の鳥羽伏見の戦ひで始まつた維新戦争は、翌二年函館の幕軍が降伏して、一段落となり、輝かしい天皇親政の御世となつたが、しかし天皇親政の障害となるものは、徳川幕府だけではなかつた。
— 菊池寛 『二千六百年史抄』 青空文庫
従つて、明治四年の廃藩置県までは、新興日本は非常なる危機にあつたと云つてもよい。
— 菊池寛 『二千六百年史抄』 青空文庫
たゞ、当時の各藩は、水戸の天狗騒動で、武田耕雲斎が、わづか数百の兵力で、中部日本を押し通るのを、傍観してゐたのでも分るやうに、軍備的に無力であつたのと、天皇親政の中央集権的情勢が天下を風靡してゐたので、利害的にも、人情的にも、至難と思はれた廃藩置県が、見事に断行されたのである。
— 菊池寛 『二千六百年史抄』 青空文庫
が、この廃藩置県をはじめ、廃刀令、徴兵令その他明治政府の革新政策に対する武士階級の不平不満が、やがて、西南戦争その他の変乱となつて、勃発してゐるわけである。
— 菊池寛 『二千六百年史抄』 青空文庫
討幕から廃藩置県までの立役者は、西郷隆盛であるが、廃藩置県以後、変乱時代を通じて、その文明政策に依つて、近代日本を築いた大立物は、大久保利通である。
— 菊池寛 『二千六百年史抄』 青空文庫