板額
はんがく
名詞
標準
文例 · 用例
……飛んだ門破りの板額ですね。
— 泉鏡花 『薄紅梅』 青空文庫
字もうめえが、ねらい矢も人にひけをとらねえとんだ巴板額もいねえとはかぎらねえんだ。
— 子持ちすずり 『右門捕物帖』 青空文庫
しかもだ、それほどの巴板額ごときおちつきのある侍の勇夫人が、目の前で夫の殺されるのを指くわえて見ているはずもねえじゃねえか。
— 卍のいれずみ 『右門捕物帖』 青空文庫
板額女男嫌ひで押す文学、揺すぶりませうかあなたの昔の想ひ出を花|簪桃割の日のことを初恋の人もあつたでせう、冗談ぢやないあなたの心臓は沢庵漬の重石ぢやあるまいし少しは伸びたり縮んだりして戴きたい、いまは男は『叫び』の女は『嗚咽』の文学を書く時代です、あなたにはそれが全くない女の美しい痙攣がない。
— 詩集(11)文壇諷刺詩篇 『小熊秀雄全集-12』 青空文庫
ところが、やがて其の厳しい門を押し破って、和田合戦の板額のように闖入した勇者があらわれた。
— 岡本綺堂 『綺堂むかし語り』 青空文庫
このときの中幕には団十郎が板額の門破りを演じた。
— 岡本綺堂 『明治劇談 ランプの下にて』 青空文庫
脚本は在来の「和田合戦女舞鶴」をそのままであったが、かの門破りの場に出る板額は、下げ髪にうしろ鉢巻、直垂に小手脛当をつけて毛沓を穿いているという活歴式のこしらえで、観客をおどろかした。
— 岡本綺堂 『明治劇談 ランプの下にて』 青空文庫
団十郎の活歴が往々にして一部の観客の批難のまとになったのは、こうした悪い病いが付き纏っていたからで、暁雨の大好評にひきかえて、この板額は頗る不評であった。
— 岡本綺堂 『明治劇談 ランプの下にて』 青空文庫