社前
しゃぜん
名詞
標準
文例 · 用例
銀明水に達したるは午後七時に垂んとす、浅間社前の大石室に泊す、客は余を併せて四組七人、乾魚一枚、麩の味噌汁一杯、天保銭大の沢庵二切、晩餐の総べては是の如きのみ、葉マキ虫の葉を綴りて寝ぬる如く、一同皆|蒲団に包まりて一睡す。
— ――明治三十六年八月七日御殿場口にて観察―― 『霧の不二、月の不二』 青空文庫
高松という処の村はずれにある或る神社で、社前の鳥居の一本の石柱は他所のと同じく東の方へ倒れているのに他の一本は全く別の向きに倒れているので、どうも可笑しいと思って話し合っていると、居合わせた小学生が、それもやはり東に倒れていたのを、通行の邪魔になるから取片付けたのだと云って教えてくれた。
— 寺田寅彦 『静岡地震被害見学記』 青空文庫
社前の茶店に葡萄棚がある。
— 寺田寅彦 『伊香保』 青空文庫
私なぞは見物の方で、お社前は、おなじ夥間で充満でございました。
— 泉鏡花 『眉かくしの霊』 青空文庫
……お社前の火事見物が、一雪崩になって遁げ下りました。
— 泉鏡花 『眉かくしの霊』 青空文庫
難波の終点についたのは正午頃だったが、大阪の町ははじめてのこと故、小一里もない生国魂神社前の丸亀の料理場に姿を現わしたのは、もう黄昏どきであった。
— 織田作之助 『放浪』 青空文庫
大阪劇場の地下室で無料の乙女ジャズバンドをきき、それから生国魂神社前へ行った。
— 織田作之助 『放浪』 青空文庫
難波の終点についたのは正午頃だったが、大阪の町ははじめてのこと故、小一里もない生国魂神社前の丸亀の料理場に姿を現わしたのはもう黄昏どきであった。
— 織田作之助 『放浪』 青空文庫