恪勤
かっきん
名詞
標準
文例 · 用例
ところがその青年が東京に出てから、持ち前の性質のよいところを出して精励恪勤の紳士になりました。
— 岡本かの子 『仏教人生読本』 青空文庫
武芝は年来公務に恪勤して上下の噂も好いものであつたが、前例を申して之を拒んだ。
— 幸田露伴 『平将門』 青空文庫
」 しかし銀子の母親には、結核体質らしいところが少しもないばかりか、あの白皙人型の越後系のがっしりした、均齊のよく取れた骨格で、性格にも恪勤とか忍耐とか、どんな困難に遭遇しても撓まない強靱さがあり、家を外にして飛び歩きがちな放浪癖の父親と反対に辛抱づよく、世帯の切盛りに忠実であった。
— 徳田秋声 『縮図』 青空文庫
その上、そこまで官軍に反抗するとなると、藩祖楽翁公が禁裡御造営に尽された功績も、また近く数年|禁闕を守護して、朝廷に恪勤を尽した忠誠も、没却されてしまうばかりでなく、どんな厳罰に処せられて、当家の祭祀が絶えてしまうようなことがないとも限らない。
— 菊池寛 『乱世』 青空文庫
福岡地方神社ノ祭能ヲ主宰シ恪勤衆ニ過グ。
— 夢野久作 『梅津只圓翁伝』 青空文庫
これは普通人ならば正に酔狂の沙汰と見られるところであったろうが、これを本分と覚悟している翁の態度は誰一人として怪しむ者もなく、当然の事として見慣れていたくらい真剣に恪勤したものであった。
— 夢野久作 『梅津只圓翁伝』 青空文庫
もしも彼の精励恪勤に相応した報酬が与えられたとしたら、彼自身はびっくり仰天したことであろうけれど、おそらく五等官には補せられていたにちがいない。
— ニコライ・ゴーゴリ 『外套』 青空文庫
今こそ彼は、二十年の精励恪勤によっても得られないほどのものを、たった一年で手に入れることが出来るのだ。
— または チチコフの遍歴 第一部 第二分冊 『死せる魂』 青空文庫