独り旅
ひとりたび
名詞
標準
文例 · 用例
」 少し残った金を、机の抽斗に入れていた笹村は、船や汽車や温泉宿で独り旅の淋しかったことを想い出していた。
— 徳田秋声 『黴』 青空文庫
その翌年独りで横浜に参りまして(独り旅は長崎に一週間程のつもりで出かけて、一晩でこりごりしたと云って帰った時と、これだけでした)色々のおもちやを沢山買って大喜びで帰りました。
— 小泉節子 『思い出の記』 青空文庫
幅の広い、粗天鵞絨の安楽椅子にレエスの覆いを掛けた一等の車室で、或る独り旅の客が身を起した――アルブレヒト・ファンクワアレンである。
— 原民喜 『冬日記』 青空文庫
長い懊悩も、憂鬱も、忍耐も、寂しい寂しい異郷の独り旅も、すべては皆この一つを感知するために有ったかのように思われて来た。
— 島崎藤村 『新生』 青空文庫
然し今度はそういう道|伴れもなく、独り旅を続けた。
— 若杉鳥子 『独り旅』 青空文庫
ところが、読書に快楽を見出し得るとすれば、長途の汽車の独り旅も決して退屈なことはなく、長い冬の夜も、我々に取つて快楽に対する無限の好機会なのである。
— 平田禿木 『趣味としての読書』 青空文庫
咲の姉)と、よしという女中さんにつれられて、生れてはじめての独り旅!
— 一九三九年(昭和十四年) 『獄中への手紙』 青空文庫
元より振分けの行李の外にや、道づれも無え独り旅だ。
— 芥川龍之介 『鼠小僧次郎吉』 青空文庫