金木犀
きんもくせい異読 キンモクセイ
名詞
標準
fragrant olive (Osmanthus fragrans var. aurantiacus)
文例 · 用例
二、三日してアパートの部屋に、金木犀の一枝を生けて置いた。
— 織田作之助 『秋の暈』 青空文庫
一週間すると、金木犀の匂いが消えた。
— 織田作之助 『秋の暈』 青空文庫
つい四五日前までは夏のようであったが、町中のお寺の前の暗がりにふと金木犀のにおいを光らせて降る雨は、はや一雨一雨冬に近づく秋の冷雨だった。
— 織田作之助 『土曜夫人』 青空文庫
アパートの中庭の金木犀の花が、雨に濡れて匂っていたのだ。
— 織田作之助 『土曜夫人』 青空文庫
ところが夏も過ぎ秋が深くなって、金木犀の花がポツリポツリ中庭の苔の上に落ちる頃のある夕方、佐伯が町へ出ようとしてアパートの裏口に落ちていた夕刊をふと手にとって見ると、友田恭助が戦死したという記事が出ていた。
— 織田作之助 『道』 青空文庫
玄関の傍の金木犀、銀木犀の匂ふころには、村の鎮守の祭礼が近く、村の若者達の練習してゐる馬鹿囃の太鼓の音が夜毎にきこえて、月は水のやうに美しくあたりを照した。
— 田山録弥 『中秋の頃』 青空文庫
庭の金木犀は風につれてなつかしい匂いを古びた寺の室に送る。
— 田山花袋 『田舎教師』 青空文庫
隣家の生垣の際に一株の金木犀があった。
— 宮本百合子 『一本の花』 青空文庫