溝壑
こうがく
名詞
標準
文例 · 用例
が、政府の迫害や富豪の暴横其極に達し、人民溝壑に轉ずる時、之を救ふのは將來の革命に利ありと考へます。
— ‘V NAROD’ SERIES’ 『A LETTER FROM PRISON』 青空文庫
孟軻の語に、志士は溝壑にあるを忘れず、勇士はその元を喪うを忘れずと。
— 鶏に関する伝説 『十二支考』 青空文庫
]老幼ハ溝壑ニ転ジ壮者ハ去テ他国ニ流離セリ。
— 田中正造 『直訴状』 青空文庫
例へば、鉱毒被害の惨状を説明した幸徳の原文には「――魚族弊死し、田園荒廃し、数十万の人民、産を失ひ業に離れ、飢て食なく病で薬なく、老幼は溝壑に転じ、壮者は去て他国に流離せり。
— 木下尚江 『臨終の田中正造』 青空文庫
その後僕は君と交っている間、君の毒気に中てられて死んでいた心を振い起して高い望を抱いたのだが、そのお蔭で無慙な刺客の手にかかって、この刃を胸に受けて溝壑に捨てられて腐ってしまったのだ。
— ホフマンスタアル Hugo von Hofmannsthal 『痴人と死と』 青空文庫
去年の此頃は人をも世をも恨みつくして、先人の旧居を去り寧溝壑に填せむことを希ひしに、いつとはなく徃時のなつかしく思返さるゝ折から、慈君のたよりを得て感動する事浅からず。
— 断腸亭日記巻之三大正八年歳次己未 『断腸亭日乗』 青空文庫
そのおれば嬋娟たる美姫を擁して巍々たる楼閣に住し、出ずれば肥馬に跨り、軽車に駕し、隷従雲のごときは全国人民をして風に櫛り、雨に浴し、父子兄弟妻子をしてあいともに離散し、あいともに溝壑に転ぜしめたればなり。
— 徳富蘇峰 『将来の日本』 青空文庫
……苟も大臣の位置におるものは、一人溝壑に転じて落ちれば、己がこれを押込んで致したと思え。
— 大鹿卓 『渡良瀬川』 青空文庫