黒鼠
くろねずみ
名詞
標準
black mouse
文例 · 用例
おなじく供えた一束の葉の蔭に、大な黒鼠が耳を立て、口を尖らしていたのである。
— 泉鏡花 『半島一奇抄』 青空文庫
人々見るよりアッといいて立ち騒ぐに驚き、この鼠逃げ帰るを見れば常の黒鼠となって去る。
— 鼠に関する民俗と信念 『十二支考』 青空文庫
」 という月並みな叫び声を口々に発して立ち上がりざま一同が逃げ支度にかかると、このとき遅く、いままで艶子たちの腰かけていた長椅子の下から大黒鼠が毒ガスを嗅がされたときのように、両手を床の上に泳がせて一人の白い手術衣を着た医員がむくむくと這い出したので、一同は驚きのあまりその場に立ちすくんでしまった。
— 合作の六(終局) 『五階の窓』 青空文庫
黒鼠色で、かすんだような大きなかまの前に、背を丸くして黒赤い着物、オリーブの袴をつけた彼の姿は、日本のこう云う芝居よりも、ビョルンソンか、メーターリンクの舞台に出て来そうな色の調和があった。
— 一九一七年(大正六年) 『日記』 青空文庫
尤も、番頭の佐吉が、甚だ女道樂が強く、下女|端女は言ふまでもなく主人の内儀にまで、變な素振りを見せたことは、下女のお米の話でもわかりましたが、この佐吉が案外の黒鼠で、外では隨分派手に金を費つて居ることも、次第に判つて來ました。
— 敵持ち 『錢形平次捕物控』 青空文庫
飛んでもない黒鼠で、主人に帳尻を見られると、大變なことになりさうですぜ」「――」「それから掛り人の粂吉。
— 猿蟹合戰 『錢形平次捕物控』 青空文庫
「親分」「あわてるな八、下手人はあの浪人者じゃねえ、こんな手数のかかった細工をした黒鼠だ」 平次が差した指は、真っ直ぐに元吉の血の気を失った額を指したのです。
— お篠姉妹 『銭形平次捕物控』 青空文庫
こんな手數のかゝつた細工をした黒鼠だ」 平次が差した指は、眞つ直ぐに元吉の血の氣を失つた額を指したのです。
— お篠姉妹 『錢形平次捕物控』 青空文庫
標準
deceitful employee
標準
dark gray