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櫟林

くぬぎばやし
名詞
1
標準
文例 · 用例
櫟林や麦畠や街道や菜園や、地形の変化に富んだその郊外は静かで清すがしかった。
梶井基次郎 雪後 青空文庫
途方に暮れてぼんやり立ち続けていますと川上の丘の櫟林の方に当って、聞き慣れた犬の吠える声が聞え、銃声も響きます。
岡本かの子 生々流転 青空文庫
わたくしは、もどかしくなり、風呂敷包を玄関の踏石の上に置いて櫟林の方へ先生を捜しに行きました。
岡本かの子 生々流転 青空文庫
櫟林は、丘の上では果樹園や花畑の背後を囲みながら学校教職員の舎宅のある段と、学園の建物のある段と、その下の多那川べりの灌漑地帯の田畑の平地と、三段になっている地層を抱きかゝえるように多那川の岸にまで立ち続いております。
岡本かの子 生々流転 青空文庫
そして、梢を透して林の中の靄が木立ごとだん/\明るく茜色に浮き立つのを見て行きますと、櫟林はわたくしを中に歩かしたまゝ大地ごと誰かの大きな手で擡げられ、しず/\宝の方へわたくしを近付かせられるように感じられてなりません。
岡本かの子 生々流転 青空文庫
そこは櫟林の外れで、櫟林から離れると緑の葉にきら/\陽が煌めいている大根畑がありました。
岡本かの子 生々流転 青空文庫
いつの間にか櫟林を抜けて、川上の側で川へ突き出ている丘の背に出てしまっているのでした。
岡本かの子 生々流転 青空文庫
見渡すと靄はかなり晴れて川岸の丘にはまた先に櫟林のあるところまでは畑続きの平地で、如何にも滋養のありそうな黒土に野菜が緑の点状に無数に並んでおります。
岡本かの子 生々流転 青空文庫