病気療養
びょうきりょうよう
名詞
標準
文例 · 用例
だがそれは、高級海員の家族の病気療養費、あるいは特別収入といった方が正当であった。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
自分は病気療養のためしばらく滞在する積りだから、階下の七番と札のついた小さい室を借りていた。
— 寺田寅彦 『嵐』 青空文庫
しかして病気の夢、これを他種の夢に比するに、その割合やや多きは、当時、病気療養のためその地にありて、多少懸念するところありしによる。
— 井上円了 『妖怪学』 青空文庫
それは信州の田舎に嫁して来た私の妻が、風俗習慣の違いと安易な田園生活に希望を失い、精神的苦悩から心身疲労して病気になり、行末危ぶまれる状態となったので、病気療養とともに何らかここに新たな生活を起す必要があったのである。
— ――所信と体験―― 『一商人として』 青空文庫
良はとうとう病気になったので、私は両親に願って妻の病気療養のため上京の途についた。
— ――所信と体験―― 『一商人として』 青空文庫
病気療養のために上京した年若い夫婦がそのまま東京に止まるさえ不都合というべきに、いわんや全く無経験の商売に手を出すなど危険千万、両親から見れば呆れ果てたことであったに違いない。
— ――所信と体験―― 『一商人として』 青空文庫
然るに牢内に殺人の嫌疑で捕縛せられた越後生れの僧が牢名主をしていたが、この僧は久しく弘庵の名を聞伝えていたので大にこれを尊敬し、病気療養を名として弘庵の出獄を願い出た。
— 永井荷風 『下谷叢話』 青空文庫
父とは同国の出身で、夙くから病気療養に対するその効用を認めて海水温浴を主唱し、少しは世に知られていた医家があった。
— ――黙子覚書―― 『夢は呼び交す』 青空文庫