山立て
やまたて
名詞
標準
文例 · 用例
白い手はかすかにふるえながら障子に掛った、細目にソーと引いて中をのぞくと美くしい几帳が沢山立ててあってそのわきから美くしい色の衣の端がチラチラとのぞいて居る。
— 宮本百合子 『錦木』 青空文庫
伝天正・伝正徳・伝慶長以下、六種類の神楽の次第書を見ても、大体、生れきよまりの山立て、或は山を立つべし、山をまつるべし、山をたづぬべし、山を売り買ふことゝいふ事から、子供の誕生に比喩をとつた行事を行ふ様であります。
— ――花祭り解説―― 『山の霜月舞』 青空文庫
彼が山立てしておいた海面へ小舟は進んでゆくのである。
— その六 血を見る真珠 『明治開化 安吾捕物』 青空文庫
東の方には六角牛山立てり。
— 柳田国男 『遠野物語』 青空文庫
『温故之栞』には『夫木集』の大炊御門為佐の歌、越の山立て置く竿のかひぞ無き日をふる雪にしるし見えねばという一首を引用しているが、歌言葉でもし「しるしの竿」といったのがこれだとすれば、自分の想像はほぼ当っているだろう。
— 柳田國男 『地名の研究』 青空文庫