紙札
かみふだ
名詞
標準
文例 · 用例
「ナーンダ杉並か、馬鹿に小さな札じゃないか」と云って、検査済の紙札の小さい事の責任をわれわれに負わされるのであった。
— 寺田寅彦 『異質触媒作用』 青空文庫
その中の一つの琺瑯質の壁に蔦の蔓が張り付いている三階建の、多少住み古した跡はあるが、間に合せ建ではないそのポーチに小さく貸間ありと紙札が貼ってあった。
— 岡本かの子 『河明り』 青空文庫
水槽につけた紙札に魚の名と値段が書いてある。
— 寺田寅彦 『試験管』 青空文庫
又今一つの話は、秀吉が会津を誰に托そうかというので、徳川家康と差向いで、互に二人ずつ候補者を紙札に書いて置いてから、そして出して見た。
— 幸田露伴 『蒲生氏郷』 青空文庫
その格子に「明間あり」の紙札が張つてあつたのを加集はいきなり破り取つた。
— 毒藥を飮む女 『泡鳴五部作』 青空文庫
「良い犬の子あげ升」といふ紙札。
— 広島・尾道 『行乞記』 青空文庫
窓に近く筍二本、これは竹にしたいと思ふ、留守にTさんが来て抜かれては惜しいと思つて、紙札をつけておく、『この竹の子は竹にしたいと思ひます 山頭火』昨夜の酒は私にはよかつた、今日は昨日よりも落ちついて、そして幸福である。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
下足札を受け取って上がって、麦藁帽子を預けて、紙札を貰った。
— 森鴎外 『余興』 青空文庫