胆取
たんとり
名詞
標準
文例 · 用例
みんなは胆取りと巡査にわかれてあばれています。
— 宮沢賢治 『みじかい木ぺん』 青空文庫
ところがキッコは席も一番前のはじで胆取りにしてはあんまり小さく巡査にも弱かったものですからその中にはいりませんでした。
— 宮沢賢治 『みじかい木ぺん』 青空文庫
柳河の街の子供はかういう時幽かなシユブタ(方言|鮠の一種)の腹の閃きにも話にきく生胆取の青い眼つきを思ひ出し、海辺の黒猫はほゝけ果てた白い穂の限りもなく戦いでゐる枯葦原の中に、ぢつと蹲つたまゝ、過ぎゆく冬の囁きに昼もなほ耳かたむけて死ぬるであらう。
— 北原白秋 『水郷柳河』 青空文庫
われ此時、あまりの浅ましさに心|挫け、武士の身に生れながら、生胆取りの営業を請合ひし吾が身の今更におぞましく、情なく、長崎といふ町の恐ろしさをつく/″\と思ひ知りければ、今は片時も躊躇ふ心地せず。
— 夢野久作 『白くれない』 青空文庫
生胆取りだの死人使い、奴隷売買、人殺し請負いナンテものは西洋人でなくちゃ出来ない仕事だと聞いておりましたがマッタクその通りだと思いましたナ。
— 夢野久作 『悪魔祈祷書』 青空文庫
生胆取り※の生胆に花火が散つて夜が来た東西!
— 蒼馬を見たり 『蒼馬を見たり』 青空文庫
柳河の街の子供はかういふ時幽かなシユブタ(方言、鮠の一種)の腹の閃めきにも話にきく生膽取の青い眼つきを思ひ出し、海邊の黒猫はほゝけ果てた白い穗の限りもなく戰いでいる枯葦原の中に、ぢつと蹲つたまゝ、過ぎゆく冬の囁きに晝もなほ耳かたむけて死ぬるであらう。
— 北原白秋 『思ひ出 抒情小曲集』 青空文庫
日の中はかうしてうやむやに過ぎてもゆくが、夜が來て酒倉の暗い中から※すり歌の櫂の音がしんみりと調子をそろへて靜かな空の闇に消えてゆく時分になれば赤い三日月の差し入る幼兒の寢部屋の窓に青い眼をした生膽取の「時」がくる。
— 北原白秋 『思ひ出 抒情小曲集』 青空文庫