流し見
ながしみ
名詞
標準
文例 · 用例
あくる日になると、私は朝飯前から畑へ出て丹精の植物を眺め、艶々した葉の緑の吹流し見た様な処、アツサリした茶色の髪が奇麗に垂れた間から黄金色の実の見える塩梅などをト見カウ見して、従妹たちがどの様に羨しがるだらう、折角美事に出来て居るものだから惜しいけれど是非二三本は掻いて御馳走せねばなるまいなどと。
— 若松賤子 『黄金機会』 青空文庫
矢代も甲板に立って香取の姿が煙を流し見るまに港の外へ消えて行くのを眺めていたが、間もなく始まる上陸である。
— 横光利一 『旅愁』 青空文庫
恨みをこめて、ジロリと左膳を流し見た彼女の眼には、いっぱいの涙があふれて今にも落ちそうでした。
— こけ猿の巻 『丹下左膳』 青空文庫
しかも、最早美女の施術は終ったのか、傍らの椅子に、ずらりと並んでいるのは、あまり人相のよくない男たちで、突然入って来た中野の方をじろじろ流し見ては、何か小声で囁きあっていた。
— 蘭郁二郎 『地図にない島』 青空文庫
成河副院長は、懶げにカルテを流し見て聴診器を耳に差込んだ。
— ――肺病の唄―― 『※の囁き』 青空文庫
」時子は鏡面から眼眸をはずして彼女には不似合な、そっとした優しみで二人を流し見た。
— 地に潜むもの 『地上』 青空文庫
茂子は顔をあげて菊龍の円々した顔を流し見た。
— 地に潜むもの 『地上』 青空文庫