奥向き
おくむき
名詞名詞-の形容詞
標準
inner part of a house (near the kitchen, living room, etc.)
文例 · 用例
その外、下男や、日雇いのお民などの饒舌から、かやは何時とはなしにこの山城屋の奥向きの事情を幼い心にも大方は判断し得る様になって来た。
— 岡本かの子 『かやの生立』 青空文庫
民子は浦和の小地主の娘として生まれ、少女時代を東京で堅い屋敷奉公に過ごし、その屋敷が時代の英傑後藤新平の家であり、目端の利くところから、主人に可愛がられ、十八までそこの奥向きの小間使として働き、やがて馬喰町のある仕舞うた家に片着いたのだった。
— 徳田秋声 『縮図』 青空文庫
さて一年の計は新年にありで、鼠害を減ずるため、支那で七日とか十日とかの夜、鼠の名を呼ばず馳走し、日本でも貴族の奥向きで三ヶ日間ネズミと呼ばずヨメと替え名したのだ。
— 鼠に関する民俗と信念 『十二支考』 青空文庫
さらぬだに淡島屋の名は美くしい錦絵のような袋で広まっていたから、淡島屋の軽焼は江戸一だという評判が益々高くなって、大名高家の奥向きから近郷近在のものまで語り伝えてわざわざ馬喰町まで買いに来た。
— ――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド―― 『淡島椿岳』 青空文庫
いかにもご不審ごもっともでござりまするが、いや、なに、打ち割ってみればなんでもないこと、よそへ頼むはやっかいだ、ついでに二十五本ばかり大急ぎに染めてくれぬかと、加賀家奥向きから、ご注文がございましたんで、いたずら半分に染めたんでございます」「なに、やはり二十五本とのう。
— お蘭しごきの秘密 『右門捕物帖』 青空文庫
いろいろの才覚のあるこの老人が、だんだん奥向きのことに係わるようになっていることは、笹村にも頷かれたが、そこの窮屈な家風に、ようやく厭気のさしていることも、時々の口吻で想像することが出来た。
— 徳田秋声 『黴』 青空文庫
「おお、うめえうめえ、頬ぺたが、落ちらあ」忍泣き 取締りの老女中が、奥向きの部屋部屋――内玄関、勝手、納戸、茶の間、寝室、御居間、書院、湯殿、厠というようなところを、案内してくれた。
— 直木三十五 『南国太平記』 青空文庫
それがこの日の饗宴のためであるとは知りながら、喜びをむき出しにしたような奥向きの様子が見て取れて、彼は何かしら不満であった。
— 本庄陸男 『石狩川』 青空文庫
作例 · 標準
例句
標準
family matters
作例 · 標準
例句