痛打
つうだ
名詞動詞-サ変動詞-他動詞
標準
hard blow
文例 · 用例
警部は検事の痛打を見るに見かねて、ここで一発亀之介に喰らわさねばと飛び出したわけである。
— 海野十三 『地獄の使者』 青空文庫
思へば彼は、その死床に於て、私をよぶ、といふ奇怪に古風な呪縛のカラクリを発案してまで、私をへこませ、一生の痛打、一撃を加へずにゐられぬ念願があつたのだらう。
— 坂口安吾 『暗い青春』 青空文庫
「あッ、しまった――」 と蠅男が鉄の爪を持った残りの右腕を伸ばして床の上の抜けた左腕を拾おうとするのを、帆村はそうさせてはなるものかと寝台の上をヒラリと飛び越し、隠しもっていた桑の木刀でヤッと蠅男の頤を逆に払えば、「ギャッ」 とさしもの蠅男も痛打にたまらず、※と床上に大の字になって引繰り返った。
— 海野十三 『蠅男』 青空文庫
のみならず戰爭は、それまで樹皮に蔽はれて見えなかつた彼の年輪を、その幹に一痛打を與へることによつて露はにした。
— ナルシシスムの運命 『三島由紀夫』 青空文庫
幹太郎は左へひらきざま、抜き打ちに(刀のみねで)三平の肩を、痛打した。
— 山本周五郎 『花も刀も』 青空文庫
正しく、自分の精神と肉体に、痛打をうけた感じである。
— 吉川英治 『平の将門』 青空文庫
「間にあわなかったか」 家康はここでもまた、なにか心を痛打された。
— 第四分冊 『新書太閤記』 青空文庫
南谷を渡って、魏延に一痛打を加え去った楊儀、姜維らは、先を急いでその霊車を南鄭城の内に安んじ、さて殿軍が着くのを待って、魏延のうごきを訊いていたところであった。
— 五丈原の巻 『三国志』 青空文庫