逐字
ちくじ
名詞
標準
文例 · 用例
そこで外国語の詩に就いて、読者の真の知らうと欲するところは、詩の個々の原語や逐字訳的の詩想でなくして、原詩そのものが持つてる直接のポエヂイであり、原詩それ自体の詩的ムードなのである。
— 萩原朔太郎 『詩の翻訳について』 青空文庫
松山中学時代には非常に綿密な教え方で逐字的解釈をされたそうであるが、自分らの場合には、それとは反対にむしろ達意を主とするやり方であった。
— 寺田寅彦 『夏目漱石先生の追憶』 青空文庫
これはラスベルグ稿本の逐字訳で、英訳の中では一番価値の高いものなんだが」 と、ずしりと腕に耐える部厚なものを繰ってゆくうちに、ふと四、五頁、貼りついている部分があるのにぶつかった。
— 小栗虫太郎 『潜航艇「鷹の城」』 青空文庫
台詞は寺子屋の浄瑠璃の本文を殆ど逐字訳といっても好いくらいに英訳したもので、紐育で作られた台本を用いているのだと聞きました。
— 岡本綺堂 『米国の松王劇』 青空文庫
今一つの方式はそれとは反対の、逐字訳である、一語一句も忽かにせず、原文の通りに訳するのである、さうして出来上つたものは、通例何が書いてあるか一向に解らない、解らない筈である、訳者その人にも解つては居ないのであるから、併し翻訳としてまことに忠実なもので、これ以上は望み難いのである。
— 戸川秋骨 『翻訳製造株式会社』 青空文庫
文芸の翻訳の気分訳もあれば逐字訳もあらう。
— 戸川秋骨 『翻訳製造株式会社』 青空文庫
而もあれは逐字訳の方の誤訳であらう。
— 戸川秋骨 『翻訳製造株式会社』 青空文庫
「……乞ひて候よ」「……罷り出でて候よ」が、正しい逐字訳見たやうな形である。
— 折口信夫 『「さうや さかいに」』 青空文庫