潜まる
ひそまる
動詞
標準
文例 · 用例
谷水は谷水で、青い淵からむくむくと起ち上ると、いきなり岩に衝きあたって力任せに抉り抜け躍り踰え、果ては脚もとの小石までもさらってドッと駆け下りさま空を切って復た淵の中に潜まる。
— 木暮理太郎 『黒部川奥の山旅』 青空文庫
けれ共、折々よこすお君からの便り、又、東京に居る弟の達からの知らせなどによると、眉のひそまる様な事がやたらとあった。
— 宮本百合子 『栄蔵の死』 青空文庫
暮れるにつれて、四辺のひそまるのと、夕闇の濃くなるままに、前よりも、鬼気をまして、この一室を脅かした。
— 吉川英治 『大岡越前』 青空文庫
――時々、声がひそまるのは、密議らしい。
— 吉川英治 『新・水滸伝』 青空文庫
光りの如く 羽虫ながるゝ幾百の若者の歩調おこる時、ひきしまり来る愛しさ堪へず防空演習庭萩の梢ひそまる 月読の夜はを 戸ざして、いくほどもなし寒ざむと 光りをおぼゆ。
— 折口春洋 『鵠が音』 青空文庫
師のうしろに言ひゆくことも 山のしづけさ篠原のそよぐ風音の さ夜深くひそまる時に、目ざめ居にけり人ごゑは 夜半に目ざめてきゝしかど、ひそかになりぬ。
— 折口春洋 『鵠が音』 青空文庫