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揉み消し

もみけし
名詞
1
標準
文例 · 用例
二人が捕えられて連れ戻された時、晃一は親たちにせがんでその事件を暗黙に揉み消して貰った。
渡辺温 勝敗 青空文庫
しかし、そんなものに就いて思考を集注し出したら一晩中興奮のために眠れないぞ、さうすると又、明日は發作だぞ、と、私は躍氣になつて、さうした斷片的な思惟の芽を揉み消して行く。
中島敦 かめれおん日記 青空文庫
けれども爺は、その一本の半分とは燻らさないうちに唐鍬の柄でそうっと揉み消した。
佐左木俊郎 土竜 青空文庫
買つて行つて遣らうかといふ氣が一寸起るや否や、そりや五六|年前の事だと云ふ考が後から出て來て、折角心持の好い思ひ付をすぐ揉み消して仕舞つた。
夏目漱石 青空文庫
「廃せ」と云って、末造はその手を振り放して、畳の上に散った烟草の燃えさしを揉み消した。
森鴎外 青空文庫
文字清 それでもあのくらいの大きい家になると、内証で色々に手をまわして、いい加減に揉み消してしまうというじゃあありませんか。
岡本綺堂 勘平の死 青空文庫
買って行ってやろうかという気がちょっと起るや否や、そりゃ五六年|前の事だと云う考が後から出て来て、せっかく心持の好い思いつきをすぐ揉み消してしまった。
夏目漱石 青空文庫
――が、私は、煙草を途中まで喫ふと、火を揉み消して、紙の一端を切り開いて、唾で濡らして――垂直に指先で撮むと、勢ひよく天井を眼がけて投げ付けた。
牧野信一 妄想患者 青空文庫