初袷
はつあわせ
名詞
標準
the first time in the year that one wears an awase kimono
文例 · 用例
四月はじめの大空は蒼々と晴れて、町には初袷の男や女が賑わしく往来していた。
— 金の蝋燭 『半七捕物帳』 青空文庫
初袷 袷着て吾が女房の何とやら、綿入れの重きを脱ぎすてて初袷に着代えた当座、洵や古き妻にも眼の注がるるものである。
— 柴田流星 『残されたる江戸』 青空文庫
遮莫、物に執着するはかれらの最も潔しとせぬところ、さればぞ初袷の二日三日を一年の栄えとして、さて遂には裸一貫の気安い夏をも送るのである。
— 柴田流星 『残されたる江戸』 青空文庫
吾儕は爾く青簾を愛する、その初袷に赴いた心はやがて青簾にも同じ好愛を恣にするのである。
— 柴田流星 『残されたる江戸』 青空文庫
鉄無地の道行半合羽、青羅紗の柄袋、浅黄甲斐絹の手甲脚半、霰小紋の初袷を裾短かに着て、袴は穿かず、鉄扇を手に持つばかり。
— 江見水蔭 『死剣と生縄』 青空文庫
慶三は大島の初袷に節糸の羽織を重ね、電車を待つ振で時間通りに四辻の乗換場に彳み三田行と書いた電車の留まる度、そこから降来る人をば一人一人一生懸命に見張っていた。
— 永井荷風 『夏すがた』 青空文庫
母親のお豊は長吉が初袷の薄着をしたまゝ、千束町近辺の出水の混雑を見にと夕方から夜おそくまで、泥水の中を歩き※つた為めに、其の夜から風邪をひいて忽ち腸窒扶斯になつたのだと云ふ医者の説明をそのまゝ語つて、泣きながら釣台の後について行つた。
— 永井荷風 『すみだ川』 青空文庫
母親のお豊は長吉が初袷の薄着をしたまま、千束町近辺の出水の混雑を見にと夕方から夜おそくまで、泥水の中を歩き廻ったために、その夜から風邪をひいて忽ち腸窒扶斯になったのだという医者の説明をそのまま語って、泣きながら釣台の後について行った。
— 永井荷風 『すみだ川』 青空文庫
作例 · 標準
今年は秋の訪れが早かったので、例年より早く初袷を着た。
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祖母は毎年、初袷の時期を楽しみにしている。
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「この初袷、あなたによく似合っているわよ。」と母が微笑んだ。
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